世良利和 × 突貫小僧 対談:PAGE-03
掘り起こしは、まだまだ続く…
竜次:沖縄って、メインストリームではないじゃないですか。他の地方での過去の映画の掘り起こしって、どういう状況だと思いますか?
世良:まだ掘り起こしはされてないと思う。東京というメインストリームに対して、京都、大阪、神戸あたりだと、一生懸命やっている人が多くて、どんどん掘り起こされているけど、やっぱり、それらの地域もメインストリームでしょ。例えば、熊本とか、鹿児島とか…そういうところはまだまだだと思う。
竜次:地方のお金を持っている方々が、例えば、9㎜半のフィルムとかを回して、今でいう自主製作映画を作って、それが残っているというのは…
世良:あるある、それは絶対にあると思う。
竜次:では、沖縄みたいな、いわゆる商売を意識した作品というのは…
世良:それはあまりないと思う。ちっちゃな流れとしては、旅回り芝居の一座が撮っていたりとか、中央の映画会社から誰か来て撮ったというのは残っていると思うけど、地方の自主製作映画が沖縄みたいに興行を打ったりというところまではなかなかないと思う。それが沖縄の特色ではあるよね。
早志:沖縄の場合は、沖縄芝居の方々が支えていたというもあるでしょうね。
世良:それは大きいよね。
竜次:沖縄芝居をちょっと取材した時に、大御所の真喜志康忠さんやいろんな方にお会いしたり、自分で調べたりとかしたんですけど、やっぱり沖縄だけじゃマーケットって狭いじゃないですか。でも戦前は意外と広くて巡業で南洋諸島にも行ったりしてますよね。テニアンとか…。
世良:その時期って、南米にも沖縄芝居の一座がいたはずだから、ハワイやブラジルにフィルムが流れたらしいっていう話もあながちないとは言えないよね。フィルムの行方を取材していて、結局見つからないと、最後に出てくるのが「ハワイにあるんじゃないか」ってパターン。俺にハワイまで探しに行けって言っているのかなぁって(苦笑)。でも、ハワイには何本か眠っていそうな気配がないでもないよね。
良實:それじゃぁ、続編は『沖縄劇映画大全 ハワイへ行く』みたいな(笑)
世良:いやいや(笑)
2009年5月22日 「シネマラボ 突貫小僧」集会所にて
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