キネ探 「 突貫小僧が選ぶ 映画本100冊。」小津安二郎:5冊

Header_eigabon100.pngTokkan_TM_white.png

Categ_Title_ozu.png

突貫小僧が選ぶ 映画本100冊。 > 小津安二郎:5冊

海外では「世界のクロサワ」と肩を並べるほど評価の高い名匠・小津安二郎。頑固なまでに細部にこだわった小津の演出は、抑制の利いた独特の雰囲気を醸し出しており、現在活躍する世界中の映画監督たちにも多大な影響を与えています。
「シネマラボ 突貫小僧」の創立メンバーも小津を敬愛しており、団体の名称は、彼の初期作品に
よく登場した天才子役・突貫小僧(青木富夫) にちなんで名付けました。
小津をよく知らない映画ファンにも、彼の魅力を感じて欲しい… そんな気持ちを込めて選定した5冊です。

小津安二郎を読む 古きものの美しい復権
フィルムアート社/編 (フィルムアート社)

Book_ozuwoyomu.jpg
小津安二郎は評論家の中で大人気の映画監督で、小津に関する本は数多く出版されているが、まずは一冊…という方にはこの本。
小津の全作品の詳細データや内容の解説、過去の作品批評、常連俳優やスタッフの紹介、小津映画にまつわるキーワードのコラム集「小津事典」などなど…ものすごく充実した内容となっている。
一度読んだらハイ終わり…の“読み物”としての側面よりも小津映画のデータブック的な役割が大きいので、リバイバル上映やDVD等で小津の映画を見る際、もしくは小津に関連することで調べ物をするときに、何度でも読み返して楽しめる一冊だ。
小津関連本にありがちな小難しい分析や文面はほとんどなく、かといって薄っぺらの軽い内容でもない。小津映画をあまり見たことない…いや、小津の存在すら知らなかったという人にとっても、この本を読むと、つい、小津の映画を見たくなる衝動にかられること、間違いないだろう。
そんなことが言えるのは、何を隠そう、僕自身が小津を知る前にこの本と出会ったからだ。

映画監督・元「シネマラボ突貫小僧」代表
當間早志