キネ探 「 突貫小僧が選ぶ 映画本100冊。」映画監督:20冊

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「監督」とは、映画そのものを描く人であり、作品に携わる大勢のスタッフを導く存在だ。
沢山の制約、しがらみ、プレッシャーの中でも最善を尽くし、常に己を作品に投影し続ける表現者たち。彼らそれぞれに独自の演出法があり、まるで映画のような生き様がある。
多彩な個性から味わえる奥深い物語の数々…貴方はもっと知りたくはないだろうか?

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※2010年9月に、ジュンク堂書店・那覇店で入手可能な本のみの選定とさせて頂きます。

成瀬巳喜男 日常のきらめき
スザンネ・シェアマン/著 (キネマ旬報社)

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留学先のパリで成瀬巳喜男監督の作品に魅了されたオーストリア人女性が、12年の歳月をかけて完成させた成瀬巳喜男全作品を分析した本。
映画フィルムから抜き出した連続ショット写真をふんだんに掲載して、成瀬映画に密やかに隠された独自のリズムを明らかにする過程は見事。
さらには撮影当時の社会情勢を詳細に分析し、成瀬とその作品が時代の要請によって常に揺れ動いてきた様を浮かび上がらせることに成功している。
日常の細やかな所作の積み重ねを通して市井の人々の物語を丁寧に撮り上げた成瀬にふさわしい、細やかな愛があふれる本といえる。

「シネマラボ突貫小僧」メンバー
平良竜次