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『子宮会議』リーディングセッション レポート  
2008年7月6日(日) 桜坂劇場  
 

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◆思わず見取れる美しさ

真夏の日差しが照りつける中、劇場前の公園には長蛇の列が。並んで居る方の年齢も幅広く、たくさんの方がこの『子宮会議』リーディングセッションを楽しみにしているのが伝わってきます。
GIRLS’ TALK主催というだけあってステージは可愛らしくセッティング。前日のパイティティライブでキュートなミニスカート姿を披露していた洞口さんだけに、今日はどんな服装で登場するのか、それも楽しみのひとつでした。
いざ登場してみると予想に反して凜とした着物姿。良い意味で期待を裏切られました!
真っ直ぐに前を見据えたその姿に、洞口さんのこの企画に対する真摯な姿勢が感じられ、会場はその独特の雰囲気にのまれたかのよう静まりかえっていました。
きりりとした美しさのなかにも柔らかな物腰に思わずホレ惚れ!!
リーディング後のトークショーで、その着物は當間監督の母君の着物をお借りしたと語っていました。洞口さんにとって沖縄が特別な場所なんだということが伝わってきました。

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◆女優・洞口依子

『子宮会議』とは洞口さんが数年前に患った子宮頸ガンのこと、手術・術後の不安、そして再生までの体験を記した著書。その再生に深く関わったのがここ沖縄であり、『MacGuffin』でした。そんな沖縄に縁の深い洞口さんにとって、今回のプロジェクトは言葉にできない想いがあったのだと思います。
前日のパイティティライブで感謝の気持ちを込めて歌った『涙そうそう』の時に感情が込み上げてきたのか思わず涙ぐむ場面もあった洞口さん。なんだか素の洞口さんをかいま見たような気がしましたが、『子宮会議』リーディングセッションでは女優・洞口依子の底力、そして魅力を改めて感じました。
「リーディングセッション」というのは洞口さんのリーディングに併せてパイティティメンバーのファルコンさんがギターをつま弾くという文字通り「セッション」。二人は打ち合わせなどはあまりしていないとのこと、その時々の雰囲気で行うそうです。その方が深く『子宮会議』の世界観に入り込めるからだそうです。
 本来リーディングとはその作品世界に深くはいりこまなければ、その世界観を伝えきれません。役柄を演じることを生業としている女優さんであれば造作もないことだと思いますが、その伝えるべき作品は彼女自身の体験…いうなれば「演じる」のではなく、「実際の体験」を語ることになります。
しかもそれは女性として辛い体験。深く潜るには痛みが伴うのではないかと心配しました。ですが洞口さんは深く潜りながらも、「伝える」者として作品との冷静な距離感を崩さず、一言ひとことに気持ちを込めて語っていました。
読後、「みんな 泣かせてごめんね〜!」と明るい笑顔を見せてくれた洞口さん。その温かみのある声に、痛みを乗り越えそして前に向かって進んでいる生命の力強さを感じました。

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◆和気あいあい♪

<子宮>は女性にとってとてもデリケートな話題です。なので堅苦しいイベントになるのかと思っていましたが、なんともアットホームな雰囲気に包まれながらもみなさん真剣な眼差しで、会場からはたくさんの質問がでました。
ここから専門家の立場として豊見城中央病院の前濱医師も参加します。実はこの前濱先生がなかなか面白い方でした(笑)。会場から病院や診療の際の不満が挙がると「私のところへ来てください!」と真面目に応えているんですが、どこかユーモラス(笑)。
でもきちんと対応してもらえるという安心感は受診する側にとっては嬉しいものですよね。 
次々と質問がでるなか、やっぱり恥ずかしくてなかなか診察に行くのは…という意見がありました。そこで洞口さんが今は子宮頸ガンの自己診断キットがあると話されていました。子宮頸ガンは定期的に検診を受けることによってほぼ100%予防できるとのこと。洞口さんが本当に子宮頸ガンについてみんなに知って欲しいという気持ちがひしひしと伝わってきました。
会場にきた方は知識はもちろん、洞口さんからたくさんのパワーをもらったと思います。

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◆サービス精神旺盛のパイティティメンバー

リーディングセッション終了後、洞口さんのサイン会も行われました。
企画への満足度の高さからか、大勢の方が列をなし、洞口さんへ直接感想を伝えていました。 
その間、パイティティメンバーは劇場前でライヴ演奏をしていました。炎天下の中、鳴り響くウクレレが心地よく、ついビールが飲みたくなりました(笑)。
サイン会が終わると洞口さんとパイティティメンバーはそのまま気分よく道ジュネー(練り歩き)へと繰り出しました。数日後に発売予定のアルバムをPRしながらの道ジュネーでしたが、なぜかチラシがない(苦笑)。でもそんなこともなんのその、パイティティメンバーは楽しそうに平和通りを練り歩き、歩行者天国の国際通りへ。 
そこでも通りかかった子どもから「何やってるの?」と普通に尋ねられるほど街にとけ込むパイティティメンバー。 
30分ほどの道ジュネーを終え、万歳でこの2日間の「子宮会議プロジェクト」を締めくくりました。

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