キネマ探偵団 on WEB

キネマ探偵団 on Web
シネマラボ 突貫小僧のホームページです





マクガフィン・ファミリー再集結!  
2008年7月5日(土) 桜坂劇場 『探偵事務所5 マクガフィン』トークイベント・レポート  

talkshow01.jpg

トーク中の平良進さん(左)、洞口依子さん(中)、當間早志監督(右)

舞台に立った人間が自ら綴る、前代未聞のレポート

ついに始まった『マクガフィン』桜坂劇場上映。
初日は上映の後、當間早志監督、成子役の洞口依子さん、安谷役の平良進さん、小道具と助監督を担当した武富良実こと僕の四人によるトークショーが行われました。
普通こういうレポートって、見に来てくれたお客さんが書くものでしょうが、裏側の人が書くのもなかなか珍しいんじゃないかと(苦笑)。
それはともかく早速いってみましょう! 

打合せは「なんくるないさ」で!?

上映前、劇場内のカフェにて當間監督、平良進さんと打ち合わせ。…かと 思ったら、なぜか話題は昔の映画館や沖縄芝居のことなど。楽しくて興味深いお話を聞くことが出来ましたが、ほとんど『マクガフィン』についての話は無し(笑)。こんなんで本番は大丈夫なのでしょうか? まあ、そこは沖縄、「なんくるないさ(沖縄の方言で、どうにかなるさ、という意味)」で本番に突入です。さて、呼ばれるままに舞台に上がると、先ほどの雑談の続きのようなノリで、和気あいあいと進行。
堅苦しくないアットホームな雰囲気は、きっと客席の皆さんにも伝わったかと思います。
 

恥ずかしすぎる過去を暴露…

少ないスタッフ、少ない日数と、無い無い尽くしの撮影秘話に花が咲くものですから、個人的に辛かった思い出がついよみがえり、話を聞きながらも頭がクラクラ(笑)。
たとえば、洞口さんを次のロケ地に移動する役目を仰せつかった際、僕が沖縄出身にも関わらず道に迷ってしまったり、その上帰り道は洞口さんに運転を代わってもらったことや、撮影中に僕の作った小道具が壊れてパニクったことなど、恥ずかしいネタを披露してしてしまいました。ああ、情けない。
 

なぜ妊婦役に洞口依子だったのか?

もちろん、そんな僕のバカ話だけではなく、當間監督からは、子宮頸ガンを患った洞口さんになぜ妊婦役を依頼したのかなど、『マクガフィン』という作品そのものの核心となる重要な裏話も披露されました。
當間監督いわく「(病気で子宮を失ってしまった)洞口さんに演じてもらうことで、生命だけではない何かを生み出し、残すことが出来るということを伝えたかった」とのこと。表現者たる神髄を伝えるようなエピソードです。
僕は企画段階から参加していましたが、最初に監督から洞口さんに妊婦役を演じてもらいたいという構想を聞いたときは正直ビビりました。そんな病にかかってしまった人に対して、そういう依頼をするのは、あまりにも残酷な気がしたから。
洞口さん本人もやっぱり「最初この話を聞いたときは、何て(當間監督は)ひどいんだろうと思った」そうです。
けれど、監督の「何かを生み出すことができる」との話を聞いて納得、俄然やる気が出たのだとか。
実際『マクガフィン』を見てくれた方は、洞口さんの起用が作品の成功に繋がっていることを知っているでしょう。トークショーに来ていたお客さんも、この話には大きく頷いていました。
 
 

藤木さんが撮影の合間に雑草を食べていた!?

ほかにも、ラストシーンのアイディアは洞口さんの提案だったことや、探偵515役の藤木勇人さんが撮影の合間に海で海草を採ったり、道ばたに生えた草を弁当に乗っけて食べていたこと(本人いわく「薬草」)、平良さんが演じた安谷という役の劇中では語られなかった設定や、“安谷”という名前から思わぬ雑学に脱線したりと、30分程度の時間ではとてもとても足りない、充実したトークショーとなりました。
また、お客さんたちも和気あいあいとした雰囲気で一体感がありました。皆さんありがとう!
残念ながらトークショーに参加できなかった方は、ぜひ『マクガフィン』を、出来れば洞口さんの著書「子宮会議」も読んでいただきたいものです。作品を違った視点から見ることが出来て、面白さも倍増ですよ。

(突貫小僧・武富良實)

talkshow05.jpg 

talkshow02.jpg
 
talkshow06.jpg 

talkshow04.jpg 
 
talkshow07.jpg 
 
talkshow03.jpg