1960年頃の首里劇場(山里将人氏提供)
ライブが行われる
首里劇場
とはどのような場所なのだろうか?
その歴史は61年前、アメリカ世まっただ中の1950年より始まる。当初は演劇と映画の兼用劇場として、沖縄の権威ある芸能コンクールが行われるほど、沖縄文化の中心地であった。映画が斜陽になった70年代後半頃から次第に成人映画専門館へと移り変わっていったが、未だ現役でフィルムを回し続けている沖縄最古の映画館である。
建物は開館当時のまま(一部改装)で、まるでそこだけタイムスリップしたかのようなたたずまいを愛するファンは多い。シネマラボ突貫小僧もその姿に惚れ込み、2007年に
『探偵事務所5・マクガフィン』(’06)
を上映。また首里劇場を舞台に成人映画を撮影した監督もいる。その作品
『人妻がうずく夜に 身悶え淫水』(’08)
は全国上映(もちろん首里劇場でも!)された。
2007年5月。突貫シアター『探偵事務所5・マクガフィン』上映で満員になった劇場。
かように人々から愛される首里劇場。「戦後沖縄が誇る文化遺産」として残しておくべきだという声も多い貴重な映画館なのだ。
なお今回のライブは、80年代に「仲田幸子一座・母の日公演」が行われて以来の単独公演となるらしい。その意味でも大変貴重な機会といえる。