ジョー・ダンテの最近のブログ記事

B級愛
 1950年代から60年代、B級ホラー映画を中心に活躍したウィリアム・キャッスルというプロデューサー兼監督がいた。ホラー映画の名作中の名作『ローズマリーの赤ちゃん』('68・ロマン・ポランスキー監督)のプロデューサーとして大きな実績を残してるが、それよりも監督としてマニアの間では有名な人なのだ。いや、監督として良い作品を残したからと言うわけではない。例えば1959年にキャッスルが監督した『地獄へつゞく部屋』では、上映中に観客の頭上をワイヤーで吊したガイコツを飛ばしたり、1960年の『13ゴースト(未)』では、観客に特殊な眼鏡を配布し、それをかけることによって劇中に登場する幽霊が見えるようになるギミック(仕掛け)を取り入れた。作品の内容うんぬんよりも、こういった観客を楽しませるための技術を取り入れた「ギミックの帝王」として有名なのである。

 前回の「ダンテ地獄篇」で書いた『グレムリン』('84)は、アメリカ公開日からわずか2日で製作費を回収するほどの特大ヒット作になったため、映画会社はすぐさま続編製作の企画を練り始め、何人もの脚本家がいくつもの案を考えたようだ。ところがなかなかいい脚本ができなかったらしい。中には巨大化したギズモとグレムリンが街で暴れるという怪獣映画のようなアイディアもあったそうだが、結局何年も企画はまとまらなかった。
 これらの企画段階では、監督のジョー・ダンテは無関係だったが、ある日ダンテは映画会社の管理者とたまたま顔を合わせ、続編の企画を考えて欲しいと直接依頼を受けた。
 そしてダンテに依頼された続編の条件は<90分から2時間以内の作品で、『グレムリン2』にしてくれればいい>というものだった。この依頼に対してダンテはこう話している。
 「なかなか無い機会だよ。全くの白紙に自由に描いていいなんて」
 そう、映画会社は大ヒット作の続編で、もう一度ボロ儲けを考えていたのかもしれないが、ダンテは思いっきり自由なモノにしてしまったのだ。

 監督デビュー以来、ホラー、SF、コメディと、コアなファンが多いジャンルの映画ばかりを手がけてきたジョー・ダンテ。まぁあまりデートで見に行くような映画には選ばれないだろうし、まして女性だけで見るものとは思われてない気がする。要するに「男の子」向けの監督なんだろうなぁ。
 そんなわけで「ジョー・ダンテって誰?」という人も多いと思う。しかし、ワタクシはこう信じている。

「ダンテ作品には、映画の全てがある!」

 そういう意識でダンテの映画を見続けてきたワタクシは、気がつけばすっかりダンテのとりこ。ダンテの地獄に堕ちてしまったのだ。
 

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうちジョー・ダンテカテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリはコメディです。

次のカテゴリはホラーです。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ジョー・ダンテ: 月別アーカイブ

Powered by Movable Type 4.01