今年3月に開催された沖縄国際映画祭。その審査員としてジェリー・ザッカー監督が来沖した。(ザッカー監督インタビューはこちらへ)
そのジェリー監督と、兄のデヴィッド・ザッカー、そしてジム・エイブラハムズ(通称:ZAZ)が手がけた「フライング・コップ」(’82)というテレビ番組があった。
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本国アメリカでも人気が出ず、わずか6話で打ち切られた番組だそうだし、日本ではもちろん未放映。ビデオで発売はされたものの、当時それほど注目はされなかったと記憶しているのだが、その後『裸の銃(ガン)を持つ男』(’88)として映画化され大ヒットしたので、映画版の方はご存じの方も多いだろう。
さて、映画版の元になった「フライング・コップ」全6話のうち、我らがダンテは2本を演出している。
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ジョー・ダンテという監督は『グレムリン』が大ヒットしすぎてしまったせいで、いまだに派手な合成や、特殊メイクなどを駆使するSFX映画の作家というイメージがついてしまっているようだ。
確かにダンテは好んでそういうジャンルの作品を多く手がけてはいる。いつまでも少年のような…という言い方はキレイすぎるので「ガキ」と言い換えるが、ダンテがガキの頃好きだったSFやホラー、ファンタジー、アニメなどの要素をいつまでたっても自作の中に織り込んできていることからもそれは明らかだろう。
もちろんそんな要素は、ある意味「お遊び」程度にしか過ぎない部分もあるのだが、当時まだまだ「ガキ」だった僕も、そういう部分ばっかり楽しんでいたダメな観客だったので、ダンテの1989年作品『メイフィールドの怪人たち』は、ちょっと拍子抜けした一本だった。
というのも、『メイフィールド〜』には、一番わかりやすい「お遊び」である派手なSFXが使われていなかったからだ。その代わり “売り” になったのは主演のトム・ハンクス。日本では現在ほどの人気や知名度は無かったが、アメリカでは「サタデー・ナイト・ライヴ」「ハッピー・デイズ」などのテレビ番組や、映画では『スプラッシュ』('84)や、『ビッグ』
('88)で大人気のコメディアンだった。
自主製作やインディーズ系の映画会社で活動していたダンテが、メジャー会社の製作・配給で監督が出来るようになったきっかけは、ある日ダンテのオフィスに届いた一冊の脚本だった。
その脚本の送り主はご存じスティーヴン・スピルバーグ。スピルバーグはダンテ作品に織り込まれたマニアックなネタを気に入ったようだが、いくらなんでも気に入ったというだけでは、メジャー会社の映画を任せるわけにはいかない。そこで、まずはメジャーのウォーミングアップ的な作品で監督をさせ、それが上手くいけば、大作の監督を任せようというのがスピルバーグの考えだったのかもしれない。
で、そのウォーミングアップ的作品というのが、『トワイライトゾーン/超次元の体験』('83)だ。
B級愛
1950年代から60年代、B級ホラー映画を中心に活躍したウィリアム・キャッスルというプロデューサー兼監督がいた。ホラー映画の名作中の名作『ローズマリーの赤ちゃん』('68・ロマン・ポランスキー監督)のプロデューサーとして大きな実績を残してるが、それよりも監督としてマニアの間では有名な人なのだ。いや、監督として良い作品を残したからと言うわけではない。例えば1959年にキャッスルが監督した『地獄へつゞく部屋』
では、上映中に観客の頭上をワイヤーで吊したガイコツを飛ばしたり、1960年の『13ゴースト(未)』
では、観客に特殊な眼鏡を配布し、それをかけることによって劇中に登場する幽霊が見えるようになるギミック(仕掛け)を取り入れた。作品の内容うんぬんよりも、こういった観客を楽しませるための技術を取り入れた「ギミックの帝王」として有名なのである。
前回の「ダンテ地獄篇」で書いた『グレムリン』('84)は、アメリカ公開日からわずか2日で製作費を回収するほどの特大ヒット作になったため、映画会社はすぐさま続編製作の企画を練り始め、何人もの脚本家がいくつもの案を考えたようだ。ところがなかなかいい脚本ができなかったらしい。中には巨大化したギズモとグレムリンが街で暴れるという怪獣映画のようなアイディアもあったそうだが、結局何年も企画はまとまらなかった。
これらの企画段階では、監督のジョー・ダンテは無関係だったが、ある日ダンテは映画会社の管理者とたまたま顔を合わせ、続編の企画を考えて欲しいと直接依頼を受けた。
そしてダンテに依頼された続編の条件は<90分から2時間以内の作品で、『グレムリン2』にしてくれればいい>というものだった。この依頼に対してダンテはこう話している。
「なかなか無い機会だよ。全くの白紙に自由に描いていいなんて」
そう、映画会社は大ヒット作の続編で、もう一度ボロ儲けを考えていたのかもしれないが、ダンテは思いっきり自由なモノにしてしまったのだ。
監督デビュー以来、ホラー、SF、コメディと、コアなファンが多いジャンルの映画ばかりを手がけてきたジョー・ダンテ。まぁあまりデートで見に行くような映画には選ばれないだろうし、まして女性だけで見るものとは思われてない気がする。要するに「男の子」向けの監督なんだろうなぁ。
そんなわけで「ジョー・ダンテって誰?」という人も多いと思う。しかし、ワタクシはこう信じている。
「ダンテ作品には、映画の全てがある!」
そういう意識でダンテの映画を見続けてきたワタクシは、気がつけばすっかりダンテのとりこ。ダンテの地獄に堕ちてしまったのだ。
と言うわけで気が付けば、最近全然映画館に行ってないのでありました。こんなんで映画サークルの代表とか名乗っていいのかどうか怪しくなってきた。
なんとか今年はバンバン映画館に行きたいなぁ。と思うのであります。

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