こんな本屋さんがあったらいいな!/『天国の本屋〜恋火』

| | コメント(2) | トラックバック(0)

司書のカカズが綴る映画と本の架け橋ブログ。
司書という仕事柄はもちろん、単純に本好きとしても映画を通して世界の図書館や空想の世界の本屋さんが見られるのはワクワクします。


でも、図書館や本に注目すると実は他にもいろいろなことが見えてきます。
古代エジプト時代まで遡ってみるとパピルス紙で綴られた資料が収められた図書館があるように、“図書館”って遙か紀元前から存在しているんですよ。
時代とともに建築様式や本の形態、利用の仕方など変化してきましたが、そうなった経緯を辿ると、その”時代”が反映されているんです。
“図書館”や“本”は単に歴史を記録するだけではなく、その時代そのものを映し出してくれているんですよね。
よく「小道具から時代背景がみえてくる」といわれますが、なかでも“図書館”や“本”はその最たるものではないかと思います。

…と、たいそうな御託を並べておりますが、このブログはそんな大きな考察はさておき、“やっぱり本が好き”という単純なところから始まっております(笑)

ここから本題
さてさて、記念すべき第一回目はズバリ“本屋”さん。
しかも普通の“本屋”さんじゃありません。『天国の本屋〜恋火』('04)です。


ピアニストの健太(玉山鉄二)は仕事をクビになってやけ酒を飲み、目覚めるとそこは「天国の本屋」さん。臨時アルバイトとして働き始めるうち、子どもの頃の憧れのピアニスト翔子(竹内結子)に朗読を頼まれます。


普通、本屋さんというと本の販売をしていますが、「天国の本屋」ではお客さんから依頼があると店員さんが“朗読”をしてくれるんです。
(持ち込みもOKらしい)
しかもちゃんと朗読用のステージが用意されていて、朗読を聞く人のために椅子も何脚か準備されています(笑)。
どちらかというと本屋さんというより、図書館に近い感じかな。


翔子曰く、「思い入れが強くて一人じゃ読みたくないとか、言葉を字じゃなく、音で聞きたい」時は人に読んで欲しいそうです。
これもよくわかります!
実際、私は今も本当に自分の中に入れたい言葉は音読してますし(笑)。


朗読っていいですよね
図書館などではよく司書の方やボランティアの方々の朗読会があります。
『マンハッタン花物語』('95)のクリスチャン・スレイター演じるお花屋さんは図書館の朗読会がお気に入りでした。
お花屋さんと図書館なんてそれだけで、ロマンチックですよね。

図書館以外の朗読会では喫茶店(カフェ?)などもよく聞きます。
中には文豪喫茶なるものがあって、たまに著名な作家さんが来て自ら朗読することもあるとか…う〜ん羨ましい!

たしかここ沖縄でもリウボウブックセンターLIBRO(リブロ)でラジオパーソナリティーの方々が朗読会を開いてたな。
おっと 脱線、脱線!


行ってみたい
「天国の本屋」の店内は大きな木のようにどしっと構えている三角柱の書架や、書架梯子を使わなければ届かないような高い棚までぎっしりと本が並んだ書架など、普通の本屋さんみたいに一定方向に並んだ造りではなく、まるで店内が美術館のように自由に歩き回れます。
また木の書架は日の光を受けて穏やかな空気感を漂わせ、温かみのあるその場所はまさに憩いの場です。

ちなみに私が思い描く天国の図書館は、パルテノン神殿のような建物のなかに紀元前からこれまで出版されたすべての本が大理石の書架にびっしり並んでいて、辺り一面真っ白な世界。
荘厳な割には一見すると温かみがないかも…(笑)。

撮影は北海道で行われ、「本屋」のセットは小樽の倉庫に作られたそうです。本棚の本は地元の古本屋さんが協力して運び入れたとか。
出来上がってみると、あまりの素晴らしさに今もそのまま残されていて地元のイベントなどに使用されているらしいです。
行ってみたいな〜。


原作は松久淳+田中涉の『天国の本屋』シリーズから第一作『天国の本屋』と第三作『恋火』。
残念ながら未読。
きっと原作にはもっと詳細に天国の本屋さんについて書かれているんだろうな。


温かくて利用者の気持ちに応えてくれる天国の本屋さんですが、気になった点が一つ。
薄暗い店内の採光のためだと思われるのですが、ステージ前の池。
司書として湿気を大敵とする本のそばに水気のあるものをおくのはやっぱり気になりました(笑)
天国の本屋さんだから まぁ いいのかな!


******************************

『天国の本屋〜恋火』
日本/2004年/111分
配給:松竹

監督:篠原哲雄
製作:久松猛朗
原作:松久淳+田中涉(『天国の本屋』/『恋火』)
脚本:狗飼恭子
撮影:篠原哲雄、上野彰吾
美術:小澤秀高
音楽:松任谷正
出演:竹内結子、玉山鉄二、香里奈、新井浩文、香川照之、香川京子、原田芳雄...他

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: こんな本屋さんがあったらいいな!/『天国の本屋〜恋火』

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://tokkan-kozo.com/mt/mt-tb.cgi/63

コメント(2)

元突貫・早志 :

>「思い入れが強くて一人じゃ読みたくないとか、言葉を字じゃなく、音で聞きたい」時は人に読んで欲しいそうです。

そんな人は是非、7月6日に桜坂劇場で行われる『子宮会議』リーディングセッションに参加してほしいですね。

カカズ :

★早志さん

まさに図ったかのようなタイミングでの朗読会ですね!(笑)
今まで朗読会に参加されたことがない方はぜひ、7/6(日)桜坂劇場へ。
著者自ら朗読なんて、きっと想像以上に“言葉”が心に響くと思いますよ。

コメントする

このブログ記事について

このページは、カカズが2008年6月20日 00:15に書いたブログ記事です。

次のブログ記事は「本の価値/『デイ・アフター・トゥモロー』」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01